バレエ・ダブルビル2023

マクミラン史上、最も美しいパ・ド・ドゥ『コンチェルト』
“愛”と“死”チェスで描かれるドラマ『チェックメイト』

コンチェルトConcerto

振付 ケネス・マクミラン  音楽 ドミトリー・ショスタコーヴィチ  美術 デボラ・マクミラン

ショスタコーヴィチのピアノコンチェルトに対する
マクミランの卓越したインタープリテーション。
その研ぎ澄まされた感性が心に響く。

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photograph by Kenichi Tomohiro

1966年、ドイツ・ベルリン・オペラ・バレエの芸術監督時代のケネス・マクミラン(1929-1992)が、彼のミューズであったリン・シーモア(1939-2023)のバーでウォーミングアップしている姿から着想して、振付けられたと言われている第二楽章のパ・ド・ドゥは、名作揃いのマクミラン作品の中で最高に美しいパ・ド・ドゥと位置付けられる。

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photograph by Kenichi Tomohiro

この協奏曲は、自由と解放の感覚において、他のショスタコーヴィチ(1906-1975)の作品とは大きく異なっている。彼の作品の多くは、緊張と不安に満ちているが、空気がろ過されるかのように叙情的な緩徐楽章を、活発で疾走感のある楽章で挟む形で構成されたピアノ協奏曲第2番には、自由さと切なさが広がっている。スターリンの死から4年が経過した1957年、息子マキシムの19歳の誕生日プレゼントとして書かれたこの曲には未来への期待と無制限の喜びがある。

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photograph by Kenichi Tomohiro

クラシカルバレエの美意識と音楽の雰囲気を、マクミランの自由な感性と玄妙な手法でシンプルに落とし込んだバレエ『コンチェルト』は世界各国で上演され続けている人気作である。

チェックメイトCheckmate

振付 ニネット・ド・ヴァロワ  音楽 アーサー・ブリス  美術 E.マックナイト・カウファー

英国近代バレエの金字塔。
〝チェス〟を〝ドラマティック〟に変容させた、
偉大なるド・ヴァロワの傑作!

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photograph by Kenichi Tomohiro

序曲はこれから起こりうる不穏な予感を掻き立てる。幕が上がると、大空を象徴する青いカーテンに巨大な腕が現れる。その巨大な腕の下でチェス盤を見つめる2人の戦士。青と黄色の鎧をまとった「愛」と、赤と灰色の鎧をまとった「死」である。愛がまず一手を打つ。まるで人の運命を帯びたかのような駒たちによるチェスゲームは、愛の一手によって、いよいよ開始されたのだ。死の不気味な腕が盤上を動き回り、次の一手が指されようとする。

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photograph by Kenichi Tomohiro

場面は変わり、舞台はチェスの盤上となる。
駒が集まり始め、まず赤の歩たちが、つぎに赤の騎士が、そして黒の騎士、つづいて黒の女王が登場する。赤の騎士の一人が黒の女王に勇敢に戦いを挑み、ついには黒の女王を跪かせる。しかし赤の騎士は彼女への愛のためにとどめの一刀を下すことができない・・・

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photograph by Kenichi Tomohiro

赤と黒の両陣営が対峙し、バレエダンサーが一斉に動きだすと、かのマルセル・デュシャンをも魅了したチェスの視覚的な美とデザイン性が舞台全体に広がる。
自ら第1次大戦に従軍した経験をもつアーサー・ブリス(1891-1975)の『チェックメイト』の音楽は示唆に富み、このバレエが作られた1937年の英国をとりまく世界の情勢を象徴的に表すと同時にとてもカラフルで独創的である。

『コンチェルト』第一楽章ハイライト動画Video-Concerto-

メインキャストMainCast

『コンチェルト』

  • 第一楽章 真野琴絵 上月佑馬
  • 第二楽章 島添亮子 ジェームス・ストリーター
  • 第三楽章 廣田有紀(22日) 濱口千歩(23日)

 

『チェックメイト』

  • 黒の女王 澁可奈子
  • 赤の第一騎士 望月一真
  • 赤の第二騎士 髙野大希
  • 黒の騎士 冨川直樹 吉瀬智弘
  • 赤の王 後藤和雄
  • 赤の女王 大森結城
  • 愛 廣田有紀
  • 死 村山 亮

2023年6月現在

 

演奏

  • 指揮 ポール・ストバート
  • ピアノ演奏 中野孝紀(「コンチェルト」)
  • 演奏 東京ニューフィルハーモニック管弦楽団

 

スタッフ

  • 芸術監督 小林紀子
  • 振付指導 アントニー・ダウスン
  • バレエ・ミストレス 児玉玲子
  • 衣裳チーフ 横山美樹
  • ミュージック・スタッフ 青木萌絵
  • 大道具 東宝舞台株式会社
  • かつら 奥松かつら
  • 照明 五十嵐正夫
  • 音響 佐藤利彦
  • 舞台監督 森岡 肇
  • 制作 小林 功
  • 製作助手 小林健太
  • 主催 有限会社小林バレエ事務所
  • 後援 一般社団法人日本バレエ団連盟
 
演 目 ①コンチェルト ②チェックメイト
公演日時
2023年7月22日(土)15:30
2023年7月23日(日)15:30
※開場は開演の45分前です。
入場料S=¥11,000 A=¥9,000 B=¥7,000 C=¥6,000 全席指定・(税込)
チケット発売日 6月6日一般発売
会 場 新国立劇場中劇場(東京・初台)
【電車】京王新線新宿駅より1駅、『初台駅』中央口直結。
【お車】劇場地下に駐車場がございます。山手通り、甲州街道交差点。
チケット購入BuyTickets
【当日券】
7/22(土)14:30~、7/23(日)14:30〜、新国立劇場中劇場入口にて先着順で販売いたします。
予定枚数に達し次第販売を終了いたします。

◆託児サービスのご案内◆
7月14日(金)17:00までに下記へ要電話予約 / 託児対象:0歳3か月~12歳(定員5名)
0120-165-115 (土日祝日を除く、10:00~17:00)
株式会社明日香 子育てサポート事業部 託児予約担当まで

※チケットはお一人につき一枚必要です。
※未就学児のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮ください。
※お子様の膝上での鑑賞はできませんので、お子様も1人1枚チケットが必要です。
※やむを得ない事情により出演者、演目が変更になる場合があります。
※予定販売数を超えた場合など、当日券販売を行わない場合もございます。
※公演中止の場合を除き、購入されたチケット代金の払い戻しはできません。お客様の体調不良や新型コロナウイルス感染による払い戻しの場合も、払い 戻しは致しませんので、チケットご購入の際には、ご自身の体調や環境をふまえ判断されますようお願い申し上げます。

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